オゼキオリジナルの紹介


アート水苔を開発

ブックショップ「マイタウン」代表
  作家 舟橋武志
 愛知県尾西市に住む尾関起啓さん(61) がランなどの栽培に欠か
せない人工の水苔を考案、愛好者たちの間で大きな話題になってい
る。天然の水苔は高価で保存も難しく、そのうえ害虫の被害を受け
やすい。開発された人工水苔は安価に提供でき、しかも天然のもの
と変わらぬ効果があるとか。
 尾関さんの趣味は江戸時代から続く伝統園芸「富貴蘭」の栽培。
今年4月、35年勤めた繊維会社を定年で退職、人工水苔の開発に試
行錯誤してきた。その結果、美濃和紙を5ミリ幅にカツトし、それを
綿糸でモール状に撚り合わせることに成功した。
 実は、ここまでたどり着くのが大変だった。人工の水苔には保水
性と適度な乾燥、そして植物の根をやさしく包み込む弾力性が求め
られてくる。そのため素材をいろいろ変えて実験を繰り返すうち、
岐阜の特産である美濃和紙にたどり着いた。
 「もう夢中でした。好きな道だから失敗しても全然、苦にならな
かった。水苔にはガガンボと言う害虫が発生しますが、これは和紙
ですから虫も寄りつきません」
 趣味の園芸とこれまでの職歴、そして近くにあった美濃和紙。ま
さに尾関さんならではのアイデアといえそうだ。
 試作品を求めて尾関さん宅を訪ねる人が増えてきた。口コミであ
ちこちに伝わっていく。高価なランを台無しにしてしまうことも多
かっただけに、彼ら愛好者にとっては夢のような水苔だった。
 これに注目した大手企業「堀田産業株式会社」が早々と製造、販
売元として名乗りを上げてきた。今秋から「アート水苔」の名で発
売される。この人工水苔はランなどの愛好者だけでなく、ガーデニ
ングを楽しむ多くの人たちにも受け入れられそう。
 水苔のようなグリーン色だけでなく、赤や黄などさまざまに色を
変えることによって、造花やショーウインドのディスプレー材料な
どとしても活用できそう。園芸を楽しむ人たちに気軽に使用できる。
 尾関さんらの指導で地元の撚糸業者5社が生産を始めた。初年度
の売り上げは5000万円が見込まれており、アメリカや韓国など
海外からの引き合いも来ているとか。これまでになかったまったく
新しい商品だけに、本格化する次年度からは大きな飛躍が期待され
ている。
 愛知県尾北地方は繊維で発展してきたが、このところ海外勢にお
株を奪われて元気がない。人工水苔の開発は新たな分野を切り開く
ことになり、業界の活性化にも一役買いそう。尾関さんの「定年後
こそ、やりたいことができる」という言葉がすがすがしかった 
2002年6月27日毎日新聞、7月30日日経産業新聞、8月6日日本経済新
聞、8月28日中日新聞、10月19日毎日夫人11月号、10月29日中部経
済新聞に掲載されました。


アート水苔の履歴及び行事予定


2002. 7.21 第一回アート水苔展 一宮市のふるさとプラザ2Fにて
2002..10.16〜18 テクノフロンティア2002に出展 名古屋吹上ホールにて
2002.10.27 第二回アート水苔展 一宮市のふるさとプラザ2Fにて
2003. 4.14 自然と野性ラン(全国誌)5月号に掲載 B5判雑誌4ページ掲載
2003. 4.16 叶V企画(自然と野性蘭出版社)様よりアート水苔販売開始
2003.5.17〜18 第三回アート水苔展 尾西文化広場内ふれあい会館にて
中日新聞にカラー刷りで載り大盛況
2003.6.14 自然と野性ラン(全国誌)7月号に第三回アート水苔展掲載 B5判雑誌3ページ掲載
2003.7.17〜31 一宮市ほんまちリボンプラザにてアート水苔での作品展示・販売 一宮市商工会議所の斡旋
2003.7.16 愛知県刈谷氏の愛知県産業技術研究所の大ホールと中ホールの
間のロビーにてアート水苔作品を来年6月末日まで展示
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